食品ビジネスはファンビジネス

食品ビジネスとはどんなビジネスなのか?

食品業界で長く働いていると、目の前の仕事や作業に没頭する毎日が続き、一体自分たちは何をしようとしてるのか?が見えなくなってしまう時がある。

私たちもPB商品を作ったり、メーカーさんの販促プロモーションを事業としてやりながら見失ってしまうことがある。

商品を開発するメーカーがいて、
展示会で買い手企業とメーカーが出会い、
商談をして、製造して、商品を納品する。
それを小売店や通販や外食で何らかの形で販売を行う。

サプライチェーンを見た時に私たちが行っている業務は以上の業務。
それぞれが売上を上げるために毎日業務を懸命に行っている。

このサプライチェーンの中に商品を購入する消費者までを入れた時に、
見える世界が変わってくるというのが今回のテーマ。

14MARKETというサービスで
わかったこと

昨年、スーパーや百貨店の方にエンドの棚を貸して頂き、私たちが企画を立て、地方のメーカー様の商品を販売するというサービスを実施した。

14MARKETの販売棚

このサービスを実施した際に3つの興味深い事が起こった。

まず1つ目。

1つの棚に14個の商品を並べて販売したのだが、
売上の上位に「ある共通した特徴」があった。

「売れる商品は外から中身が見える商品」現象

商品が透明な袋に入っていて、その中身が海苔!煮卵!芋けんぴ!と分かる商品の販売が好調だった。どの棚でも上位1~7位に入った商品には1つの例外もなくこの特徴が当てはまったのには本当に驚いた。

そして2つ目。

「地元で売れているのに、いきなり全く売れなくなる」現象。

地元での売れ行きと首都圏での売れ行きが全くリンクせず、地元では、堅実に売上を上げることができる商品が首都圏に出ると売れなくなるという事が起きた。

最後に3つ目。

これも非常に興味深い事例だったのでご紹介したい。
ある商品が2週間の販売期間中に6個だけ売れた。
6個なので決して売れた方ではない。

販売が終了して2週間後くらいに
バイヤーさんからその商品を仕入れたいという連絡を頂いた。

事情を聞くと、3人のお客さんが「あの商品はもう売ってないんですか?」と
聞いてきたという。6人のうちの3人が再度買いに来た。

その商品は店舗から発注を頂き、定番棚で販売されることになった。

食品ビジネスの本質とは?

整理すると

①外から中身が見える商品しか売れなかった
②地元で売れていても地元を離れると売れなくなってしまう。
③少数しか販売されなくても再度お客さんが買いに来た。

この実際に起きた現象を社内で話しながら、これは何かに似ていると考えた。

芸能人、アーティスト、芸人さんと同じ。

②の現象については、お笑い芸人が東京進出した時の現象と似ている。大阪や博多のローカルのテレビ番組でレギュラーを持っている芸人さんが東京に進出した瞬間に見ている人が変わることで「この人達だれ?」となって人気がなくなってしまう。

地元にはファンがいるのに東京では知名度がなくてファンがいない。

ここから食品ビジネスは芸能人やアーティストと同じファンビジネスではないか?という仮設を立ててみると①や③の現象にも納得がいく。

知名度がなくて、店舗の近くにファンがいない商品がさらに中身が見えない…
消費者の人は恐らく何かわからないので手が出せなかったのではないか?

レコード店に行って、曲を聞いたことがないインディーズバンドのCDは買いにくい。というのと同じだ。

博多華丸大吉が売れたのは、とんねるずのものまね番組で児玉清さんのものまねをやったことで一気に知名度が上がり、その後の活躍は皆さんの知るとおりだ。

ポイントは、ものまねという分かりやすさだと思う。

食品メーカーの例に当てはめてみると、知名度がない場所では透明な袋に入れてパッケージやラベルに大きくそれが何なのかを伝え、消費者にとっての分かりやすさを重視した方がいいのでは?と思っている。

地元で販売するパッケージと首都圏進出のパッケージは変えてもいいくらいだ。

ちなみにどの棚でも確実に売れた商品をご紹介したい。
透明な袋に入った「四万十川の青さのり」(これはおすすめ!)

四万十川というポジティブな印象を持つ地名と、どこからどう見ても海苔!と分かる透明な袋。知名度がない場所で戦うには最適な仕様だったと思う。

そして、③で出てきた商品は、買ってくれた6人の中からなんと半分の3人の
ファンを獲得したという事になる。この商品のポテンシャルはすごい。
プロモーションの仕方によっては息の長い売れ筋商品になると思う。

食品ビジネスはファンを獲得していくビジネス

これが現時点での私たちの結論だ。

次回は、ファンを獲得するビジネスであるならば小売店、通販がやらないといけないことは何か?

食品メーカーが取るべき商品開発からプロモーションの戦略とは?
について事例をご紹介しながらお話してみたいと思う。

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